頭痛にはどのような種類がありますか
- 2022年5月29日
- 頭痛
亀戸脳神経・脊髄クリニック~あたま・くび・腰~の院長の田宮です。
今日も頭痛の話をいたします。しつこくてすみません。
同じ頭が痛くなる頭痛でも、痛くなる場所、どのように痛くなるか、また痛みの性状や頻度、持続時間によりさまざまな種類があります。
特に多いものとして代表的なのは、緊張型頭痛と片頭痛です。頭痛全体のうち、この2つで半分以上を占めています。
緊張型頭痛は頭や首、肩から背中にかけての筋肉が緊張し、血行が悪くなることで起こり、後頭部や耳の後ろ側を中心に痛み出します。頭をハチマキで重く締め付けられるように痛みになったり、ひどくなるとこめかみが痛くなり、ときには目の奥が痛くなることもあります。
頭の後ろに集まる筋肉が引っ張られて緊張し、その結果血行が悪くなることが、さらに悪循環で筋緊張を招くので、下を向く作業やデスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっている人は起きやすいとされています。テレワークなどになってから、さらに増えているようです。
さらに今後夏場にエアコンで首まわりが冷やされることで、ひどくなると慢性的な痛みとなることもあります。人によっては、短時間の激しい痛みを感じる後頭神経痛を起こすこともあります。
一方、片頭痛は音や光、におい、天候の変わり目、気圧の変化など何らかの日常的な刺激がきっかけになって、拡張した脳の血管が炎症を起こすことで生じる頭痛です。女性の場合、生理前後に頭痛で悩まされることも少なくありません。
こめかみから側頭部あたりに一般的にはズキンズキンという拍動性の痛みが発作的に起こります。片頭痛という文字通り頭の片側が痛くことが多いですが、40%の人は両側の痛みや交互に痛くなると訴える人もいます。
痛みが出だすと、薬を飲むだけでは改善が乏しいこともあり、寝込んでしまう、学校や仕事に行けなくなるなど日常生活に大きな支障が生じてしまうのが、片頭痛の大きな特徴です。職場にはなんとかたどり着いても、痛みのために仕事がはかどらず、また一見健康に見えるので周囲にはなかなか理解されずにひたすら我慢している人もいるようです。
緊張型頭痛や片頭痛のように頭痛そのものが病気であり、命にかかわる可能性が少ない頭痛を「一次性頭痛」と言います。
またそれとは別に頭痛の中には、くも膜下出血や脳出血、脳腫瘍などが原因で起こるものもあり、放置すると命にかかわります。これらを頭痛以前に原因があるとして「二次性頭痛」と呼んでいます。
緊張型頭痛でも片頭痛でも、まずはこれら二次性頭痛でないことを否定してから、一次性頭痛の診断をおこなうので、必ず初診ではMRIなどの画像検査をおこなうことが必須です。
もともと一次性頭痛が普段からあるとしても、過去に経験したことのないような痛みや、手足が動かない、うまく話せないなどの付随症状を伴う頭痛を感じた場合は、すぐに医療機関を受診して画像検査を受けてください。
当クリニックでも、可能なかぎり当日MRI検査をおこない、その場で結果を説明して治療方針を説明いたします。