当クリニックでの頭痛診療
- 2022年5月15日
- 頭痛
亀戸脳神経・脊髄クリニック~あたま・くび・腰~の院長の田宮です。
皆さま、お元気でしょうか?
クリニックの正式名称が長いので、スタッフの間では略して「カメクリ」と呼ばれています。
ただそれだと脳神経と脊髄という部分が抜けてしまい、何の病気を診ているのかわからないので、自分の中では「脳と背骨ならカメクリ」という呼び方ならばいいのかななんて思っている今日このごろです。
さて、私は長年脳神経外科医として脳の病気の患者さんを多く診てきました。
現在も船橋市にある東船橋病院や千葉大学医学部附属病院で脳卒中や脳腫瘍の患者さんの診療に携わることがあります(毎週水曜日に診察しています)。
あたりまえですが、外来で特に多いのが頭痛で来院される患者さんです。
その日の朝から急に痛くなった人、前日の夜から痛かったけど寝ても治らなかった人、数日前から頭痛があった人と頭痛の出方は様々です。頭全体に痛い人、後頭部を中心に痛い人、痛みではなくなんとなく頭が重く感じる人、こめかみに激痛がある人と場所もいろいろですし、痛みの持続時間や頻度も人によります。
頭痛の範囲や出方、痛みの強度により、だいたい危険な頭痛なのか、そうでないのか経験からわかりますが、時に軽い頭痛だけどもクモ膜下出血だったり、脳出血を起こしていたりすることを経験しました。ですので、患者さんの話を聞いただけでは正確に診断できないこともあるのです。
実際、クモ膜下出血と診断された患者さんのうち、ちょっとした頭重感などで歩いて受診された患者さんが30.3%もいたという報告があります(朽木ら、脳卒中の外科2014)。また頭痛患者の18%近くは、危険な頭痛だということもデータとしてあります(WHO: Atlas of Headache Disorders and Resource in the World 2011)。
当クリニックでは、直近に発症した頭痛で来られた患者さんの場合、問診と神経診察をおこなった上で、希望があれば可能なかぎり同日に頭部MRIをおこなって危険な頭痛がないかどうかを確認するようにしています。