急に起こる激しい頭痛はクモ膜下出血の可能性も
- 2022年5月16日
- 頭痛
亀戸脳神経・脊髄クリニック~あたま・くび・腰~の院長の田宮です。
長い長いクリニックの正式名称に対して、若いスタッフの間では「カメクリ」という略称がいいのではという意見がありました。スタッフ間で連絡をとるためのLINEの名称もいつの間にか「カメクリ」になっていました。
「カメクロ」の中の「カメクリ」...
さて、今日は頭痛の中でも怖いクモ膜下出血について少しお話をしたいと思います。
クモ膜下出血は、たいてい突然の激しい頭痛ではじまります。
あまりにも急な激痛なので、経験した患者さんに話を伺うと、
・「何時何分に痛みが出た」と正確に具合が悪くなった時間を言える
・頭痛が出た時に「何々をしていた」と状況を話すことができる
とのことです。
ただその痛みの強さゆえに、たいていはその瞬間に意識を失うことが多く、以後出血の程度によりますが、大部分は意識障害を呈することになります。
原因の8,9割は、動脈血管にできた脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)というコブが破裂して、大量の血液が一気に頭蓋骨内に噴き出ることによります。
出血により、命を落とすことも重篤な後遺症を残すこともあります。
大切なことは破裂する以前にコブを見つけて、破裂する可能性のある大きさや形であれば、専門病院で治療を受けることにあります。
当クリニックでは、脳の血管をみるための頭部MRA(MR angiography)という撮影をMRIと一緒におこなっています。
MRIは脳そのものに病変がないかどうかを診るための検査ですが、MRAは動脈血管に脳動脈瘤や血管奇形、狭窄などがないかどうかを確認するための検査です。
頭痛の患者さんにおこなう頭部検査では、だいたいはMRIとMRAの両方をおこなうようにしています。
脳動脈瘤の有無を慎重に確認して、頭痛の原因として脳動脈瘤破裂にともなうクモ膜下出血の可能性があるかどうかを判断しています。