首の痛みの原因って、なに?|亀戸脳神経・脊髄クリニック~あたま・くび・腰~|亀戸の脳神経・脊髄クリニック

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首の痛みの原因って、なに?

こんにちは、亀戸脳神経・脊髄クリニック~あたま・くび・腰~の院長の田宮です。

 当院には名称に「くび」と入っていることもあって、首の痛みで悩まれている方が多く来院されます。

 自分もときどきありますが、朝起きた時に首が痛くなっていた場合、非常に最悪な気分になります。

そしてそんなとき、「寝違え」という言葉を使って、自己診断してしまいます。

変な姿勢での寝かた、疲労や睡眠不足の蓄積、首回りの冷えなどが原因で、首から肩にかけての筋肉の血流が悪くなり、過剰な筋肉の緊張が起きている状態です。

たいていは首を温めたりストレッチでほぐしたり、あるいは痛み止めやシップで様子をみながら徐々に首を動かしていくと数日でよくなっていくことがほとんどで、自己診断が正しいことの方が多いのです。

 しかし、なかには危険な病気が潜んでいることもあるので注意してください。

 ここから、私の経験的な知識もまじえて首の痛みの診療について書いていたいと思います。

 

危険な首の痛みなのか、そうでもない首の痛みなのか

何をきっかけに痛みが出はじめたのか

 まず問診のときにも確認しますが、どのようなシチュエーションで首が痛くなったのかということです。

  ・朝起きた時、上を向いたときや急に振り向いたときなど突然に

  ・長時間下を向いてPC作業やスマホをみていた、電車の中で下を向いて居眠りをしていた後に

  ・重量物を持った後や重いリュックを背負った後、首に負担をかける運動をした後に

  ・以前から自覚していた慢性的な首コリ、肩コリ

気をつけるべきシチュエーションは、事前に何のイベント(きっかけ)もなく、急に痛みが出現した場合です。出血や動脈解離、ヘルニアなどは前触れもなく痛み出します。

 また痛みの経過として、痛みが次第に強くなっていく場合は病気が進行している可能性があります。

当然ながら、がまんしづらいほどの激烈な痛みの場合や生活に支障をきたすような痛みはただごとではないと考えた方がよいでしょう。

 

首が痛くなる場所はどこか

・首の後ろの上の方か、下の方か

 頭と首の境目の痛みが中心なのか、首から肩にかけての痛みなのかということを確認することで、ある程度起こっている病態を判断できます。

たとえば、頭に近い場合は、脳自体や脳や首の血管の異常(クモ膜下出血や動脈解離など)や、頭蓋頚椎移行部や環軸椎といわれる頭蓋骨や首の骨の関節や靭帯の病気が考えられます。

一方、首から肩にかけては、頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症、脊髄腫瘍などによる神経の圧迫が原因で痛みを出している可能性があります。

 

・首の真ん中か、左右どちらかに偏っているのか

 首の構造物の中で、左右に分かれているものとしては椎骨動脈という頭の後ろ側に向かう血管、左右の首の筋肉や左右の上肢に向かう神経があります。

ですので、左右どちらかに痛みがある場合は、その側にある組織に病変が存在する可能性があります。

 

・首の前の方に症状がある場合

 その場合は、首の筋肉や背骨の問題よりも、首の前の血管(頚動脈)や甲状腺、気管や咽頭・喉頭、食道に異常があるかないかを調べることになります。耳鼻咽喉科・頭頚部外科、画像上甲状腺に異常がある場合は内分泌内科、甲状腺外科を紹介することになります。

 

・首以外に症状があるか

★頭痛がある場合は

首の筋肉の緊張から頭の筋肉に痛みが連動する緊張型頭痛、筋肉内を走行する神経が圧迫されて刺すような痛みを頭の後ろから側頭部に呈する後頭神経痛の可能性があります。

ただなかには脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血や椎骨動脈解離など、「突然の発症の頭痛」の場合は要注意になります。その場合、痛みが起きてからずっと激しい痛みが継続します。

一方、後頭神経痛のような場合は、痛みは一瞬ですぐに軽くなりますが繰り返します。

また片頭痛の場合も、予兆としていつも以上に首の強いコリを訴える方がいます。

 

★手のしびれや痛みの場合は

首の脊髄神経から手に向かってつながっている神経のどこかで圧迫を受けている可能性があります。首の骨(脊柱管)のところで圧迫を受ける病気としては、頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症、頚椎後縦靭帯骨化症、脊髄腫瘍などがあります。

肩の筋肉内で圧迫を受ける病態としては、頚肩腕症候群や胸郭出口症候群が考えられます。

 

★のどの違和感や飲み込み障害、声のかすれがある場合は

前述したように、のどの違和感や飲み込み障害、声のかすれなどがあった場合は、主に首の前にある構造物の異常を考えなければいけません。

頭に異常がなければ耳鼻咽喉科領域の疾患、または甲状腺のように内分泌内科もしくは甲状腺外科の疾患が考えられます。

 

クリニックではどのように対処しているか

首を動かして、痛みやほかの症状の出方をみます

 脳神経外科としては、まずは危険な首の痛みではないかどうか、とくに頭痛もあれば「項部硬直」があるかどうかを確認します。

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下あごを胸につけるようにして下を向いたときに、危険な場合は首から頭にかけてすごく痛みが強くなり、首を下に曲げられない、あごを胸につけられない場合があります。

その場合は、クモ膜下出血などの緊急病変を疑います。

 また天井を見上げるようにして顔を上げたときに、肩や腕、手のしびれや痛みが出現するようならば、頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症を考えます。

これは上を向いたときに、脊髄神経の通り道である脊柱管が狭くなるためです。

 

レントゲンやMRI検査をおこなう

 レントゲンやMRI検査をすることで、より確実に診断をつけることが可能です。

首の痛みに頭痛を合併していれば、頭部と首のMRIを施行します。

首の痛みに手のしびれや痛みがあるのならば、首のレントゲンとMRIを行って診断をつけます。

 問診や神経診察、画像検査の結果とあわせて、診断がつけていき、治療を行うことになります。

 緊急性があり、すぐに治療が必要な場合は、総合病院や大学病院の各科に紹介いたします。

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