骨密度が低くなるとどうなる?今こそ「骨粗鬆症」の話をしよう。
こんにちは。亀戸脳神経・脊髄クリニックの院長の田宮です。
突然ですが、**「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」**という病気、ご存じでしょうか?
漢字が難しくてあまり馴染みがないかもしれませんが、多くの人がかかっており、そのうち約4割の人が治療されていないというデータもあります。
患者さんに聞くと、「お年寄りの病気でしょ?」とか「私はまだ元気だし関係ないと思ってた」と言われることがよくあります。でも実は、骨粗鬆症は40代・50代から始まっていることも多く、気づかないうちに骨がもろくなっているケースが本当に多いんです。
しかも、初期には自覚症状がほとんどない。知らないうちに骨がスカスカになって、ある日突然ポキッと骨折してしまう──そんな怖い病気なんです。
今日は、骨粗鬆症とは何か?どんな人が注意すべきか?そして、「骨密度測定」という大切な検査について、わかりやすくお話しします。
骨粗鬆症って、どんな病気?
私たちの骨は、絶えず「壊しては作る」というリフォーム作業(骨代謝)をしています。ところが、加齢やホルモンの影響でこのバランスが崩れてしまうと、骨が壊されるスピードが上回って、だんだんスカスカになってしまうんです。
特に女性は、閉経後に骨密度が急激に低下する傾向があります。女性ホルモン(エストロゲン)には骨を守る働きがあるのですが、それが減ってしまうと骨が一気に弱くなるんですね。
骨密度が低いと、何がまずいの?
骨がもろくなると、一番怖いのはやはり骨折です。特に多いのは「背骨の圧迫骨折」や「大腿骨の骨折(足の付け根)」。
何気なくつまずいたり、くしゃみをしただけでも骨が折れてしまう…なんてことも。これを「脆弱性骨折」といいます。
しかも、背骨がつぶれてしまうと、身長が縮んだり、腰が曲がったり、慢性的な腰痛の原因になったりします。1年間で身長が4cm以上縮んだ人は、背骨の圧迫骨折を起こしている可能性があります。そして、大腿骨を骨折した場合は、入院・手術・長期のリハビリが必要になるケースも多く、高齢者の場合はそのまま寝たきりになってしまうリスクも…。
こんな方は骨密度、チェックした方がいいです!
自分が骨粗鬆症かどうかなんて、見た目ではわかりません。でも、以下に当てはまる方は、骨密度の検査を受けるチャンスです!
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✅ 50歳以上の女性(特に閉経後)、65歳以上の男性
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✅ 1年間で身長が4cm以上縮んだ(圧迫骨折を起こしている可能性がある)
- ✅ 急に背中が丸くなってきた、背中を触ると背骨がとびだしている(圧迫骨折を起こしている可能性がある)
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✅ 親や兄弟が骨折したことがある
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✅ ステロイドを長く使っている(例:リウマチ)
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✅ 喫煙・多量飲酒の習慣がある
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✅ 食が細い・やせ型
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✅ 運動不足が気になっている
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✅ 日常的に日光に当たらない(ビタミンD不足)
意外と、該当する方は多いのではないでしょうか?
骨密度ってどうやって測るの?
当院では、最新のDXA(デキサ)法による骨密度測定器を導入しています。これは病院やクリニックでしかできない、正確で信頼性の高い検査で、骨粗鬆症のガイドラインでも推奨されています。
主に**腰の骨(腰椎)や太ももの付け根(大腿骨)**の骨密度を測定します。検査は10~15分程度、痛みもなし、着替えも不要で、気軽に受けられます。
結果はその日のうちにお伝えできますので、「私の骨、大丈夫かな?」と思った方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
骨粗鬆症は「予防」がすべて!
もし骨密度が低めだったとしても、落ち込む必要はありません。早く気づければ、それだけ対策が打てます!
治療の基本はこの4つ:
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食事(カルシウム・ビタミンD・たんぱく質をしっかり)
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運動(ウォーキングや軽い筋トレで骨に刺激を)
- 日光(しっかり太陽光を浴びること、日光浴が大事)
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薬(必要な方には骨密度を保つお薬を処方します)
骨粗鬆症は「進行する前に止める」が大原則。だからこそ、骨密度のチェックが第一歩なのです。
おわりに:将来の寝たきりを、今ここで防ごう。
「骨は沈黙の臓器」と言われるように、骨の衰えはなかなか表に出てきません。でも、将来の健康と生活の質を守るためには、今の骨の状態を知っておくことが何より大切です。
もしあなたが「もしかして私も…?」と思ったなら、ぜひ一度、骨密度を測りに来てください。当院では、検査だけでなく、結果に応じたアドバイスや治療の提案も行っています。
あなたの骨、元気ですか?
未来の骨折を防ぐために、今できることから始めましょう。