くびの痛み
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くびの痛み
くびが痛い場合、危険なくびの痛みとそうでないものと二つに分けられます。
*ちなみに肩が痛いと訴えられる場合は、くびの付け根(くびから肩に移行する部分)の痛みと肩関節(肩から腕に移行する部分)の痛みに分けられますが、一般に肩こりとした場合には前者での症状を訴えることの方が多いようです。今回のお話で、くびの痛みと定義した場合、くびの付け根部分を含む症状とします。
突然にくびから後頭部にかけて強い痛みが起きた場合は、くびから頭にかけての血管の病気を考えないといけません。
クモ膜下出血は、突然の激しい頭痛で発症することが知られていますが、頭痛よりもくびから後頭部にかけての激痛で発症することもあります。また発症後数時間すると、「項部硬直(こうぶこうちょく)」を引き起こし、項部つまりうなじが硬くなって痛みが強くなるので、下顎を胸につけられなくなります(髄膜刺激症状)。
くびの骨に沿って走行している動脈という血管が、くびの可動によるストレスなどで損傷して血管の壁の層構造が破綻する病気です。外傷の場合もありますし、理由もなく起きることもあります。くびの左右に血管はあるので、どちらかの側の強い痛みが出現することになります。出血を起こす場合と詰まってしまう場合があります。
いずれの場合も、命にかかわる可能性があるので、早急に専門的に診ることのできる救急病院を受診することが必要です。
くびを支える背骨の中を脊髄神経が通ります。脊髄神経が圧迫されることで、徐々にくびの痛みが強くなっていきます。
くびの骨およびその周囲の組織が加齢とともに変形していき、脊髄神経を圧迫していく病気です。進行すると、くびの痛みや手足にしびれや痛み、こわばりなどが現れるようになり、さらに手足の脱力や麻痺に至ることもあります。
怖いことに、頚椎症による脊髄神経の圧迫が存在する状態で転倒してくびに衝撃を受けると、頚髄損傷を起こして手足の強いしびれや麻痺を呈してしまうことがありますので普段から注意が必要です。
くびの骨を連結する軟骨結合が椎間板です。椎間板ヘルニアは腰だけでなく、くびでも起きます。頚椎症同様にくびの痛みや手のしびれで発症しますが、頚椎症は徐々に進行するのに対してヘルニアは数か月で改善することもあります。
症状が続いている間は、くびの姿勢に十分注意する必要があります。
脊髄神経の中あるいは神経に接して腫瘍ができることがあります。良性のものが多いのですが、悪性のものもあります。最初のうちは無症状で経過しますが、神経の圧迫が強くなると、くびの痛みだけでなく手足のしびれやこわばり、歩きにくさなどが出現して、生活に支障をきたしてしまいます。
上記に挙げた病気は、くびの痛みだけならば経過をみていくこともありますが、手足の症状が出現して日常生活に支障をきたすようになった場合には、早い段階で手術治療も検討していくことになります。
くびの筋肉はくびの骨(背骨。頚椎とも言います)に付いています。筋肉は頭と肩甲骨に附着しているので、その筋肉の循環障害が生じるとくびの痛みとともに頭痛や肩こりが生じます。ときに緊張型頭痛、めまい、顔近くのしびれなども出ます。
以下の生活や仕事環境で起きやすいとされています。
痛みを出しやすくしている環境の改善が必要になります。
(1) 問診にてくびの痛みの性状、場所およびどの程度生活に支障をきたしているかを確認します。また手足の症状の有無を確認します
(2) まずくびのレントゲンをおこない、くびの骨に異常がないか確認します。くびの骨に異常がなく、手足の症状もなければ、くびの(頚椎)MRIは行う必要はありません。
(3) くびの骨に異常がある場合や手足の症状がある場合は、予約して次の受診の際に頚椎MRIを行います。
(4) 検査の結果、進行性の頚椎症や脊髄腫瘍などが見つかった場合は、状態によっては手術などの専門治療のできる病院を紹介します。軽度の異常であれば、内服などで保存的に治療をおこなっていきます
★MRIやMRA検査については、可能なかぎり当日に施行いたしますが、混雑の具合やほかに緊急を要する方がいらっしゃる場合には、予約して後日行う可能性もあります。
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